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ドンキ社長が吐露「今回の役員人事で大事なこと」 23歳の創業者長男が取締役に就任予定だが・・・

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吉田直樹/よしだ・なおき 1964年生まれ。1988年に国際基督教大学教養学部卒業。マッキンゼー・アンド・カンパニーなどを経て2007年にPPIH入社。海外事業本部長、専務取締役など歴任し、2019年9月より代表取締役社長兼CEO(最高経営責任者、現職)(写真:梅谷秀司)
総合ディスカウントストア、ドン・キホーテなどを展開するパン・パシフィック・インターナショナルホールディングス(PPIH)。8月に公表した役員人事は、多くの小売業界関係者の耳目を集めた。
取締役として、創業者で取締役創業会長兼最高顧問である安田隆夫氏の長男、裕作氏(23歳)を選任する。また、代表取締役として40代の幹部2名を新たに選任し、3名体制に移行する。いずれも、9月27日開催予定の定時株主総会での承認を経て就任する。
2024年6月期の決算実績は売上高2兆0950億円(前期比8%増)、営業利益1401億円(同33%増)だった。同社として初めて、また国内小売業としては4番目に売上高2兆円を突破した。足元の業績が好調の中、大胆な役員人事を断行するのはなぜか。2019年9月に就任し、今年で6期目に入る吉田直樹社長を直撃した。


――創業者である安田隆夫氏の長男、裕作氏の取締役選任には驚きました。この狙いは?

執行部である経営陣と創業家がどういう関係であるべきか。これは(大株主に)創業家がいるどんな会社でも、いつかは対峙しなければならない非常に大きな問題だ。

私自身、2019年に社長になる以前からずっとこの問題と向き合ってきた。他社の事例から得た教訓は、創業家と執行部が対立すると、とんでもないガバナンスの危機およびビジネスそのものに甚大な影響があるということだ。

これを避けるためには、大株主である創業家からボードメンバーに入ってもらう必要がある。それで私は2019年、安田創業会長に「取締役として復帰してください」と頼んだ(注:隆夫氏は2015年7月から2019年1月まで取締役を外れていた)。

株主としても(会計帳簿資料閲覧などの)請求権はあるが、必ずしもタイムリーに行使できるわけではない。ボードにいれば、都度説明を求めることも、意見することも、決議に参加することもできる。

「今、決断すべきだと思った」

――それがなぜ、今回の裕作氏選任につながったのでしょうか。

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