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【異端児の岐路】快進撃のドン・キホーテがトップ交代、バトンを受け継ぐのは“40代プロパーの同期2人”・・・創業者依存を脱却し、勝ち続けられるか

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右肩上がりの成長が続くディスカウントストア、ドン・キホーテ。渋谷の旗艦店には多くの訪日客が足を運んでいる(撮影:今井康一)

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ドン・キホーテの勢いが止まらない。運営元のパン・パシフィック・インターナショナルホールディングス(PPIH)も含め、今秋にトップ交代を控える中、勝ち続けることができるのか。
【配信予定】
6月11日(水)ドンキ、生え抜き「2トップ体制」で進む爆勝への道
6月12日(木)【独占】ドンキ運営会社「40代次期社長」の知られざる素顔
近日配信   【決意】ドンキ次期社長「目指すは小売業でナンバー1」(仮)

5月22日、令和の米騒動に揺れる農林水産省の大臣室。前日に就任したばかりの小泉進次郎農水相の前にいたのは、吉田直樹氏だ。ディスカウントストアのドン・キホーテを展開するパン・パシフィック・インターナショナルホールディングス(PPIH)の社長である。

吉田氏は並み居る競合、古豪を抑え、大手流通小売業のトップとしていち早く、渦中の大臣に接触した。その後も単独で意見書を提出し、不透明なコメの流通構造について、大臣に問題提起を行った。

ドンキは前2024年6月期に売上高2兆円を突破。総合小売の中ではセブン&アイ・ホールディングス(HD)、イオンに次ぐ国内3位まで上り詰めた。

業界の異端児――。そう言われ続けてきたドンキは、今や業界を代表して渦中の大臣にも直言する存在にまで成り上がっていた。

社外出身の吉田社長だからできたこと

PPIHを2019年から率いる吉田氏は、創業者の安田隆夫氏に招かれ、2007年に入社した。社外のコンサルティング業界出身で、小売業はもとより、営業経験はゼロだった。

PPIHの経営理念は「顧客最優先主義」。組織の中では消費者に近い店舗、すなわち現場を支える営業部隊がなによりも重視される。歴代社長のみならず、ほぼすべての役員が店舗出身である中、吉田氏の社長就任は異例だった。実際、社内では疑問の声も上がったという。

だが、あるPPIH関係者は「もし吉田さんでなければ、今のPPIHはないだろう」と話す。

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