ダイキン井上会長が退任「カリスマ不在」の前途 30年ぶりのトップ交代で直面する"3つの課題"

拡大
縮小
人事・総務担当専務の竹中直文氏(写真右)が社長、十河政則社長は会長に就く(写真:ダイキン工業)

ついにカリスマ経営者が、第一線から退く。

エアコンで世界トップ級のダイキン工業は5月9日、トップ交代を発表した。6月の株主総会を経て、井上礼之氏(89)が取締役会長を退任する。1994年の社長就任以来、30年にわたり事実上のトップを務めてきたが、名誉会長となりグローバルグループ代表執行役員は続投する。

人事・総務担当の竹中直文専務執行役員(60)が昇格し、代表取締役社長兼COO(最高執行責任者)に就任。竹中氏は1986年の入社以来、エアコンの製造工場に20年以上勤務した。営業や物流の担当を経て、2020年から現職を務める。現社長の十河政則氏(75)は、代表取締役会長兼CEO(最高経営責任者)となる。

新体制が直面する3つの課題

ダイキンは創業100周年の節目を迎えている。井上会長が社長に就任した1994年当時の売上高は約3000億円。2023年度の売上高は約4.4兆円で、約14倍へと成長した。足元の時価総額は約7兆円で、約4000社ある上場企業で上位30社に入る巨大企業になった。

ダイキンの舵取りを担う竹中氏が取り組むことになるのは、同社が直面している3つの大きな課題だ。

次ページ意外?驚きの海外売上高比率
関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
【動物研究家】パンク町田に密着し、知られざる一面に迫る
【動物研究家】パンク町田に密着し、知られざる一面に迫る
広告収入減に株主の圧力増大、テレビ局が直面する生存競争
広告収入減に株主の圧力増大、テレビ局が直面する生存競争
現実味が増す「トランプ再選」、政策や外交に起こりうる変化
現実味が増す「トランプ再選」、政策や外交に起こりうる変化
【田内学×白川尚史】借金は悪いもの?金融の本質を突く教育とは
【田内学×白川尚史】借金は悪いもの?金融の本質を突く教育とは
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT