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ヤマハの楽器職人が演奏者と2つの顔を持つ理由 トランペット設計者が吹奏楽団で磨いた感性

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ヤマハの楽器製作は吹奏楽団の演奏者たちが“二刀流”で支えている。

真剣な表情でトランペットを演奏する古海勝彦さん。管楽器の設計も手がけるヤマハ社員だ(記者撮影)
会社を動かすのは現場のビジネスパーソンだ。人気商品やサービスが生まれた背景、新たな挑戦の狙いとは。本連載では、その仕掛け人を直撃する。

楽器を作り、演奏もする――。日本を代表する総合楽器メーカーであるヤマハには、ひときわユニークな吹奏楽団が存在する。

1961年の創部以降、半世紀以上にわたり静岡県浜松市を拠点に活動を続けている「ヤマハ吹奏楽団」だ。ヤマハグループの従業員によって構成され、管楽器や打楽器の製造部門に携わるメンバーが中心となっている。

総勢約60人の「ヤマハ吹奏楽団」。第72回全日本吹奏楽コンクールで36回目の金賞を獲得した(写真:ヤマハ提供)

団員たちは楽器を製造する「楽器職人」と、ヤマハを代表して舞台に立つ「演奏者」としての2つの顔を持つ。楽器を知り尽くした彼らの実力は折り紙付きで、2024年10月に行われた「第72回全日本吹奏楽コンクール」では36回目の金賞を獲得した。

管楽器設計に携わるトランペット奏者

10月某日、浜松市郊外のコンサートホールを訪れると、コンクール直前の練習に打ち込む団員たちの姿があった。真剣な表情でトランペットを構えるのは、古海勝彦さん(43)。総勢約60人いる団員の中で唯一、管楽器の設計に携わるトランペット奏者だ。

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