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キリンビール「晴れ風」ヒットを生んだ若手の抜擢 17年ぶり新ブランドの味づくりで発想転換

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キリンビールの新ブランド「晴れ風」はビールで今年最大のヒット商品となっている。

キリンビールの東橋鴻介さん。17年ぶり新ブランド「晴れ風」の開発を担当し、今年最大のヒット商品に貢献した(撮影:大澤誠)
会社を動かすのは現場のビジネスパーソンだ。人気商品やサービスが生まれた背景、新たな挑戦の狙いとは。本連載では、その仕掛け人を直撃する。

キリンビールの新ブランド「晴れ風」が絶好調だ。販売数量が9月末で460万ケース(1ケース大瓶20本換算)に至り、今年4月の発売当初に設定した年内目標の430万ケースを早くも達成。ビールで今年最大のヒット商品となっている。

晴れ風は標準的な価格帯では実に17年ぶりの新ブランドだ。キリンが主力ブランドの「一番搾り」に次ぐ第2の柱の育成を目指す中、その重要な開発を任されたキーパーソンに入社5年目の若手社員がいた。

5年目の若手社員を異例の抜擢

マーケティング部・中味開発グループの東橋鴻介さんだ。晴れ風の売れ行きを大きく左右する味づくり(中味開発)の重責を担った。

新卒で配属された岡山工場で2年半、ビールの醸造を担当。その後、中味開発担当として横浜工場へ異動。クラフトビール「スプリングバレー」や発泡酒「のどごし〈生〉」、ノンアルコールビール「グリーンズフリー」のリニューアルなどを担当し約2年半が経過した2023年3月。入社当時から希望していた新商品開発のチャンスが巡ってきた。

それまでのキリンでは、新商品開発者の多くがベテラン社員だった。5年目の若手社員が晴れ風のような大型新商品をゼロから担当するのは異例だ。

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