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肥満症薬市場にも参戦!中外製薬の「技術戦略」 時価総額で国内トップ、異例の高成功率の背景

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「スピードより質」戦略で異例の成功率。時価総額で国内業界トップに。

血友病薬「ヘムライブラ」のパッケージと薬瓶
主力製品の血友病薬「ヘムライブラ」(写真:編集部撮影)

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国際化を進め、巨額買収を仕掛けた王者・武田薬品が苦戦する一方、中外製薬は創薬力を磨き時価総額で国内トップに立つ。本特集では、明暗分かれる国内製薬企業の今を追った。

新型コロナウイルスの関連薬に続き、日本の大手製薬企業の多くが乗り遅れたトレンドがある。今や一大市場となった、糖尿病・肥満症薬の開発だ。

この市場を牽引するのは、米国のイーライリリーとデンマークのノボ ノルディスク。糖尿病薬の市場は大きいが、肥満症にも適応が拡大したことで2社の業績は急拡大。株価も伸び続けており、ほかの欧米大手も開発を急ぐ。

国内において、かつてこの領域で最も強かったのが武田薬品工業だった。だが2019年に約7兆円でアイルランドの製薬大手・シャイアーを買収した際の借金を返済するため、糖尿病薬を売却してこの分野から撤退した。「あのとき売らずに開発を続けていれば」という思いは、市場関係者のみならず、社員も抱いている。

超大型薬になる可能性

そんな中、日本で期待される数少ない肥満症薬候補の1つを持つのが中外製薬だ。「オルフォルグリプロン」という飲み薬で、リリーやノボでヒットしているのと同じ「GLP-1受容体作動薬」という種類の薬である。もともとは糖尿病の薬として開発されたものだが、体重の減少効果が著しいことから、肥満症薬としての処方が広がっている。

18年にはリリーがこの薬の成長性に目をつけ、日本を含む世界での開発・販売権を取得した。現在は2型糖尿病と肥満症を対象とする臨床試験が進んでおり、販売は25年ごろとみられる。

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