「イクスタンジ」の特許切れを乗り越えても、次の危機が迫る。
国際化を進め、巨額買収を仕掛けた王者・武田薬品が苦戦する一方、中外製薬は創薬力を磨き時価総額で国内トップに立つ。本特集では、明暗分かれる国内製薬企業の今を追った。
前立腺がん治療薬「イクスタンジ」の特許が2027年に切れたら、どうなるのか──。アステラス製薬の売上高の5割弱、7500億円の「消滅」が差し迫る中、アステラスの社内外を問わず誰もが抱く懸念だ。
アステラスにとって深刻なのは、さらなる危機がその先に控えていることだ。仮にイクスタンジの特許切れを乗り越えたとしても、30年代早期に再び売り上げ急減となる可能性がある。その際に収益を支える有力な新薬候補が、開発パイプラインに乏しいのだ。
ライバルの第一三共に逆転を許す
長く優位を保ってきたライバルの第一三共に、23年度(24年3月期)、営業利益で逆転を許し、売上高でも今年度追い抜かれる見込みだ(下図上)。
将来の成長の土台になるパイプラインの開発品数でも、第一三共の合計67に対し、アステラスは半分の34である(下図下)。そのうえ、上市(発売)済み薬の適応拡大を除いた純粋な新薬候補は、13しかない。
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