国際化を進め、巨額買収を仕掛けた王者・武田薬品が苦戦する一方、中外製薬は創薬力を磨き時価総額で国内トップに立つ。本特集では、明暗分かれる国内製薬企業の今を追った。
創薬力の高さで国内製薬の時価総額首位に上り詰めた中外製薬。奥田修CEOを直撃した。
ロシュとの提携は成功だった
──製薬で世界首位、スイスのロシュとの提携後、「創薬特化」の戦略が奏功しています。
ロシュとの提携は今年で23年目に入るが、ウィンウィンの関係が築けており、提携は成功だった。
中外はロシュの画期的新薬の国内販売権を得たことで収益基盤が安定し、かなりこだわった創薬ができるようになった。研究者のマインドも底上げされた。中外の開発品は、後期開発段階からロシュへ依頼することになる。その際、ロシュが採用したい、と思える画期的なものを作り込まないといけないから、研究者の薬の作り込みに磨きがかかった。
──ロシュの持ち株比率は6割と、提携当初より1割増。「自主独立経営」は今後も維持されますか。
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