インドネシアでの駐在経験を持ち、国内事業のリストラを主導している。

JPBUプレジデントの宮柱明日香氏。若手の頃から上昇志向だったという(撮影:今井康一)
国際化を進め、巨額買収を仕掛けた王者・武田薬品が苦戦する一方、中外製薬は創薬力を磨き時価総額で国内トップに立つ。本特集では、明暗分かれる国内製薬企業の今を追った。
「人と話をするのがすごく好きで、だから顧客にいちばん近いMR(医薬情報担当者)を選んだ」。取材で自身の強みを問われた際、はつらつと答えたのは、武田薬品工業の宮柱明日香氏(44)だ。
この4月、国内の医療用医薬品を所管するJPBU(ジャパン ファーマビジネスユニット)のプレジデントに就任した。国内医薬品事業のトップを、女性が務めるのは初めてだ。
就任に伴い、クリストフ・ウェバーCEOの直属組織、タケダ・エグゼクティブチームにも加わった。17人のメンバーは多国籍で、日本人は宮柱氏を含め5人。過半の9人が女性だ。
有名人だった若手時代
売上高の約9割を海外が占める武田では日本の存在感は低下している。ただ、国内で武田は業界首位企業だ。宮柱氏には日本製薬工業協会の副会長、関西医薬品協会の会長など、業界団体の幹部としての役割もある。どんな人物なのか。
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