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武田薬品、社員・OBが明かす「激変の10年」の実態 再びのリストラどう見る?働き方の変化は?

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ウェバーCEOの下でグローバル化が加速した一方、収益力の低下や創薬力の課題も浮き彫りに。現役社員、OBらの複雑な胸中とは。

現役社員やOBの間では、この10年の会社の変化に対して複雑な思いも聞こえてくる(撮影:今井康一)

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初の外国人トップであるクリストフ・ウェバーCEOが就任して10年目を迎えた、国内製薬最大手の武田薬品工業。ウェバーCEOの下でグローバル化が加速した一方、収益力の低下や創薬力などの面での課題も浮き彫りとなった。
この10年の変化を会社関係者はどう見ているのか。現役社員、元社員らに本音を聞いた(※個別取材を基に座談会形式で構成)。
Aさん 現役の中堅営業社員
Bさん 武田を2010年代後半に退職した元研究員
Cさん 武田を2020年代に退職した元営業社員
Dさん 現役のベテラン営業社員
Eさん 武田を2010年代後半に退職した元研究員

会社に残ったとしても…

――国内の主要部門と、研究開発拠点での希望退職の募集が8月上旬に発表されました。

A 5月に構造改革が発表された時点で社内はざわついていた。リストラが行われることを見越して、早々に転職活動に動き始めた人も周りにはいた。自分も「何が何でも転職したい」というわけではないが、エージェントから話を聞いて同業他社や医療コンサルなどの求人を見ている。

ここで会社に残っても、(屋台骨である胃潰瘍薬の)「タケキャブ」の特許が切れる2031年より前に、また人を減らすだろう。数年後にも同じように募集が行われるのではないか。

B 当初はアメリカの研究開発拠点のリストラだけ報道に出ていたが、いちばんダメなのは日本(だから驚きはない)。湘南の研究所は2016~2017年のリストラ後、新薬の開発などで成果が全然出ていない。なのに人をまた増やしているというような話も聞いていた。

――2020年にもMRなどを対象としたリストラがありました。社内の受け止め方に、当時との違いはありますか。

C 営業にとっては2020年が初のリストラで、「まさか武田がこんなことをするとは」という衝撃があった。それと比べると当時のようなショックはないだろう。

D 前回のリストラでは500人以上のMRが辞め、ドラッグストアや医薬卸、薬局、小さな外資などに転職していった。優秀な人も出ていってしまった。今回はMRを中心に400人程度減らすのではないか。

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