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武田薬品「元MRの女性国内トップ」誕生に見る変化 グローバル化進む社内で幹部育成のあり方は?

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武田の国内向けの「顔」として注目される役職に、女性で初めて就任した宮柱明日香氏。MRとして新卒入社して以降、どんな経歴をたどったのか。

4月にJPBUプレジデントに就任した宮柱明日香氏。30代のときに海外赴任した経験が1つのターニングポイントとなった(撮影:今井康一)

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「入社当時、自分が国内のトップになるとはまったく思っていなかった」

そう振り返るのは、今年4月に武田薬品工業の国内事業の主要部門、JPBU(ジャパンファーマビジネスユニット)のプレジデントに就任した、宮柱明日香氏だ。

九州大学大学院で農学の修士号を取得後、就職氷河期の終わりに当たる2004年に武田に新卒入社した。薬の営業職であるMR(医療情報担当者)として5年ほど活躍し、本社に異動してがん領域のマーケティングに従事。その後はインドネシアの事業運営責任者を務めるなど、海外でも経験を積んだ。

地元の九州を離れ、武田の本社がある大阪に移り住んだ際には「本州に出ること自体に緊張した」というが、宮柱氏と入社年の近い武田OBは「若手のころから先輩に対しても言うべきことを言える、社内の有名人の1人だった」と明かす。

幹部メンバーで希有な生え抜き社員

JPBUプレジデントは、武田の国内向けの「顔」として、社内外から注目される存在だ。

実際、宮柱氏はJPBUプレジデントに就任後、日本製薬工業協会の副会長や関西医薬品協会の会長と、業界団体の要職に就いている。グローバル化が進み、相対的に日本事業の存在感が低下しているとはいえ、武田にとって重要なポジションであることに変わりはない。

今回の宮柱氏の抜擢からは、武田のさまざまな変化を読み取ることができる。

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