2026年の社長退任が迫る藤田氏。渋谷の巨大ネット企業を生み出したカリスマ創業者は、誰にバトンを託すのか。
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「正直、本当に無理なんですよ、引き継ぐの。本当に無理だって、自分が一番わかっている」
日本最大のネット広告代理店、サイバーエージェント。創業者である藤田晋氏の社長退任まで、残り2年を切った。後継者の育成・選定作業が佳境を迎える中、藤田氏は東洋経済の取材に、その難しさを赤裸々に語った。
2023年3月、自身のブログで2026年に社長を退く意向を宣言した藤田氏。先週で51歳になったばかりと、むしろ大企業の社長として脂が乗ってくる時期にも思える。しかし20~30代の若い社員が活躍できる同社のカルチャーを守るために、今のうちにトップを退くことが賢明と判断した。
サイバーエージェントでは2022年から、30~40代の有望な社員16人を選抜し、後継者育成の研修プログラムを履修させてきた。段階的な絞り込みを経て残った1人が、2026年春より2代目社長の座に就く。藤田氏も会長CEOとして、当面は伴走する想定だ。
3代目社長まで見据えた育成計画
社内外では“ポスト藤田”の予想をめぐり、早くもコンセンサスが固まりつつある(詳細は後述)。
ただ、藤田氏は後継者育成の研修について、「『誰を選ぶのか』に注目が集まるが、実際は『引き継ぎ可能な会社にする』ことが一番の目的だ」と発信してきた。つまり、2代目社長だけでなく、その脇を固める次期幹部や、藤田氏が完全に経営から手離れした後の3代目社長も含めた育成計画なのだ。
ある後継者育成の履修者は「あまりギスギスしないように、誰が社長になっても(ほかの15人が)支える、という雰囲気だ。藤田さんも、16人の誰が社長になっても回るような状態を目指している」と明かす。
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