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サイバーエージェントが“マス広告との一体提案”へ本気モード…有力マーケ企業GOとの提携に透ける野望 電通・博報堂との差別化は?

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以前からブランド広告の展開でGOと協業してきたサイバーエージェント。なぜ提携にまで踏み込んだのか(上写真:梅谷秀司撮影、下画像:GOの公式サイトより)

ネット広告の巨人が、新たなフェーズに足を踏み入れる。

サイバーエージェントは5月、ブランディング支援などを手がけるGOと業務提携を結んだ。協業を通じて、企業のCMO(最高マーケティング責任者)や経営者が抱える課題解決に向けた支援を強化する。

GOは、大手広告代理店の博報堂から独立した著名なPR・クリエーティブディレクターである三浦崇宏代表らによって2017年に設立された。ファミリーマートのプライベートブランド「ファミマル」を支援した実績などで知られる。GOの成長性を見込むサイバーエージェントは、2025年1月に同社への出資にも踏み込んでいた。

今回の提携では、GOが得意とするマス広告(テレビ・ラジオ・新聞・雑誌)の活用と、サイバーエージェントの十八番であるネット広告を統合したマーケティング支援を開発する。ほかにもAIを活用したブランディングや、一連のサービス群を一気通貫で提供することで、経営層の包括的な支援体制構築を目指す。

サイバーが抱えていた“偏り”の課題

2021年にマス広告の市場規模を超え、3兆円超の最大市場となったネット広告において、成長を続けるサイバーエージェント。ただ、同社は広告市場における強みの“偏り”という課題を抱えてきた。

一口に広告といっても、その目的は幅広い。自社の製品やアプリの購入・ダウンロードを促すうえでは、接点のない消費者に対する「認知」、より具体的な情報を与える「検討」、最終的な購入・ダウンロードという「獲得」に至るまで、各段階でのアプローチが必要となる。

この中でも、サイバーエージェントは「獲得」に強みを持つ企業だ。2020年には、AIが広告効果を予測し、ネット広告を制作する「極予測AI」というシステムを開発。人材や不動産、ECといった顧客向けの検索連動型広告などにおいて、続々とリリースした「極予測シリーズ」が高い効果を発揮している。

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