サイバーエージェント藤田氏がついに社長退任へ、「2026年引退宣言」を前倒し…16人の候補から選び抜かれた後継者が迫られる"3つの課題"
山内氏を周囲が有力視してきた理由には、これらの実績や人柄以上に、藤田氏との厚い信頼関係がある。以前からの宣言通り、藤田氏は12月以降も代表取締役会長という重役を維持し、当面は新社長に伴走することとなるためだ。
山内氏は後継者レースに勝ち残った構図だが、ある後継者育成の履修者は「あまりギスギスしないように、誰が社長になっても(ほかの15人が)支える、という雰囲気だ。藤田さんも、16人の誰が社長になっても回るような状態を目指している」と明かしていた。山内氏も前出の自社メディアにおいて「この期間で得たものとしては圧倒的に、第2世代の結束力」と振り返る。
カリスマ創業者の後任ともなれば、誰が選ばれても荷は重い。30代のホープとされる飯塚勇太専務や、人事領域を管掌する石田裕子専務、AI事業本部を牽引してきた内藤貴仁常務など、候補だった幹部たちが束になり、山内体制を推し進めなくてはならない。
屋台骨の広告事業は2ケタ減益に
社長交代と同日、サイバーエージェントが発表した25年9月期決算は、売上高8740億円(前期比9.1%増)、営業利益717億円(同78.9%増)。ヒット連発のゲーム事業と10年ぶりに黒字転換を果たしたメディア&IP事業が収益を押し上げ、スマホゲーム『ウマ娘 プリティーダービー』がヒットした21年9月期に次ぐ利益水準を達成した。
一見すると、引き継ぎのタイミングとしてはこれ以上にないように映るが、山内体制には大きく3つの難題が待ち受ける。




















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