コナミの主張判明、「ウマ娘40億円訴訟」の深刻度 パワプロ関連の「育成システム」で特許侵害か
大ヒット作品をめぐる係争に、ゲームファンや業界関係者の間に衝撃が走った。
サイバーエージェント傘下でゲーム大手のサイゲームスは5月17日、同社が提供する人気スマホゲーム『ウマ娘 プリティーダービー』をめぐり、同業のコナミデジタルエンタテインメントから東京地方裁判所に訴訟を提起されたと発表した。
ウマ娘は2021年2月に配信を開始。実在する競走馬の名前や特徴をモチーフに擬人化されたキャラクターを育成し、レースで競う。2016年から関連するアニメや漫画を展開し、IP(知的財産)としての価値向上に注力したこともあり、年間売上高が1000億円を突破する大ヒットを記録した。
リリースによると、コナミ側はウマ娘による特許権侵害に基づき、計40億円規模の損害賠償などを請求。さらにはウマ娘のゲーム配信そのものの提供を差し止めるよう求めている。
ウマ娘と自社特許の内容を徹底比較
コナミは具体的にどのような特許権侵害を訴えているのか。
東洋経済は6月18日までに、関連する5つの事件のうち2件について、訴状などの事件記録を確認することができた。そこから見えてきたのは、キャラクターの育成システムという、ウマ娘のゲーム構成の根幹に焦点を当てた争いだ。
コナミは、1990年代から提供している『実況パワフルプロ野球』(パワプロ)シリーズを念頭に置いた育成ゲームのシステムやプログラムなどに関して、数多くの特許権を保有する。
訴状でコナミは、119ページにも上るウマ娘の「調査報告書」をベースに、これら自社が保有する特許の内容と、ウマ娘のシステムやプログラムを徹底的に比較している。
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