コナミの主張判明、「ウマ娘40億円訴訟」の深刻度 パワプロ関連の「育成システム」で特許侵害か
では訴状におけるコナミの主張の一部を見てみよう。
例えばコナミは、①主人公キャラクターなどのパラメータを変更または設定し育成するパートや、②その育成キャラクターを用いたパート、などからなるゲームシステムに関して特許権を有している。
このシステムと、ウマ娘における①シナリオに沿ったトレーニングなどで能力を引き上げ、キャラクターを育成する、②育成を終えたキャラクターは「殿堂入りウマ娘」として登録され、ほかのプレーヤーと対戦させる「チーム競技場」というゲーム内レースに使用することが可能、などといった要素が一致するため、特許権侵害に当たるとの主張だ。
ほかにもウマ娘では、育成中のキャラクターを一定の条件を持つ別のキャラクターと一緒に練習させると、スピードなどの特定のパラメータが大きく上昇する「サポート効果」という仕組みがある。訴状では、これも特許権侵害の対象と指摘している。
コナミは今回の損害賠償請求などについて、その権利の一部を行使したに過ぎず、「追って請求の拡張を予定している」と警告する。
対するサイゲームス側は「特許権を侵害している事実はない」とし、今後もウマ娘のサービスを提供していく方針を示している。コナミの提訴は3月31日付だが、今のところ第1回口頭弁論も行われておらず、今後の展開は見通しにくい。
2023年3月末時点で現預金を1800億円以上抱えるサイバーエージェントグループからすれば、仮に損害賠償が100億円規模に膨らんでも、致命傷とはならないだろう。
ただ、今のサイバーエージェントにとってゲーム事業は、祖業である広告事業の倍以上の利益を稼ぎ出す最大の収益柱だ。ピークこそ抜けたが、今なおウマ娘はゲーム事業の中核であり、その運営から撤退となれば相応の業績悪化は避けられない。
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