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ベネズエラ沖に米軍が集結…「小国は言うことを聞け」と中南米諸国を恫喝するトランプ大統領、アメリカの危険な大国主義が中国ロシアを正当化する

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また、トランプ大統領が打ち出した不法移民の強制送還に応じたコスタリカやエルサルバドルなど数カ国も歓迎され、わずかながらの資金援助を受けている。

一方で少なからぬ国がトランプ大統領と対立している。長年、アメリカと対立するキューバはもとより、ベネズエラやコロンビアなど左派勢力が権力を握る国家が多い。

特にトランプ大統領が目の敵としているのが、独裁者で知られるベネズエラのニコラス・マドゥロ大統領だ。2024年の大統領選挙で3選を果たしたが、トランプ大統領は不正選挙だとしてマドゥロ氏を正当な大統領と認めていない。そればかりか麻薬組織の頂点に立っているなどとして彼の逮捕につながる情報などの提供者に5000万ドルの懸賞金を払うとしている。

11月中旬には、政権転覆のためベネズエラに対する米陸上軍の軍事攻撃の可能性を示唆した。そのためベネズエラの首都カラカスは今、アメリカの軍事侵攻があるのではないかと緊張感があふれている。

「麻薬戦争」口実に軍事行動を正当化

左派ゲリラ出身のコロンビアのグスタボ・ペトロ大統領との対立も激しい。トランプ大統領はペトロ大統領を「違法薬物のリーダー。麻薬の大量生産をコロンビア全土で強く奨励している」などと批判し、財政支援を停止するとともに高率の関税を課し、コロンビア領海内でも小型船を攻撃している。

これに対しペトロ大統領は、トランプ大統領を殺人者と呼び、国連総会出席のためニューヨークを訪れた際の集会で「米軍兵士はトランプの命令には従うな」と呼びかけるなど露骨なトランプ批判を繰り返している。

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