日立「ルマーダ」が激変させたヤオコーの商品発注 2024年度に売上高2.7兆円を計画する成長の柱

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ヤオコー店舗外観
ヤオコーは独立系ながら利益率は業界トップクラスの食品スーパーだ(編集部撮影)

埼玉県を地盤に関東圏1都6県に約180店舗を展開する「ヤオコー」。営業収益が約5500億円の食品スーパー大手だ。2022年11月、その全店に、とあるシステムが導入された。

そのシステムとは「AI自動発注システム」だ。顧客の購買動向や商品需要をAI(人工知能)が予測し、商品の仕入れにおける最適な発注数を示してくれる。発注担当者はその数字を基に発注作業を行えばいい。導入の効果はてきめんだった。約3時間かかっていた発注業務は約25分に大幅短縮。在庫は15%も削減できた。

ヤオコーは従来、売れた分だけを補充する自動発注システムを導入していた。しかしこの「セルワンバイワン」と呼ばれる方式は、特売や天候などによるイレギュラーな需要に対応できないという問題を抱えていた。

パンや牛乳など賞味期限の短い日配品については、需要予測システムも採用したが、ヤオコーの小笠原暁史デジタル統括部長によると「ほぼ当てにならなかった」。結局、長年経験を積んだ担当者が毎日需要を予測して発注をかけるしかない状態が続いていた。

ルマーダを基に作られた

ヤオコーのAI自動発注システムは、日立製作所の展開する「Lumada(ルマーダ)」ソリューションの1つである「需要予測型自動発注サービス」をベースに作られている。

日立は現在、データや技術を活用して、顧客や社会の課題を解決する「社会イノベーション事業」の会社であることを標榜している。その課題解決をするためのビジネスモデルがルマーダで、日立グループの各部隊に横串を指し、連携を深める役割を担っている。

ルマーダのビジネスは、単に製品を売るだけでない。課題の解決策を企画・立案するというコンサル的なビジネスも含まれる。次の課題を発見するために保守・メンテナンスにも力を入れる。

こうしたビジネスの比重が高まるにつれて、利益率も高くなる。実際、日立全体の2022年度の利益率が9.5%だったのに対し、ルマーダビジネスの利益率は14%だった。

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