「ChatGPT一強」とは限らない?最新AI業界地図 AI半導体からITサービスまで階層別に総ざらい
ChatGPTの登場で、誰でも使える「生成AI(人工知能)」サービスの熾烈な開発競争が始まっている。ビジネスでの活用や投資先として見るうえでも、どの企業が有望か、全体像を把握することは重要だ。
下の「業界地図」は、生成AIの主要プレーヤーを、生成AIの搭載を進めるITプラットフォーマー、生成AIの開発企業、AIモデルを動かすのに不可欠な半導体メーカーと階層別に分類したものだ。
現時点で市場を支配しているのは最上段に位置する3社。マイクロソフト、オープンAI、エヌビディアになる。
ChatGPTの開発元であるオープンAIは、非営利のAI研究機関だが、2019年に営利企業を設立しマイクロソフトが出資。その後、GPT-3などの独占ライセンスを供与した。
マイクロソフトは自社の検索・クラウドサービスに最新のGPTを組み込み、驚異的なスピードで誰もが使えるAIサービスを生み出している。
生成AIに不可欠なAI半導体
生成AIの開発・実行に不可欠なAI半導体の世界シェア8割を握るのはエヌビディアだ。マイクロソフトとは、2021年に自然言語生成モデル「MT-NLG」を共同開発、2022年にはクラウドAIコンピューターで提携しており、AI半導体の覇権を握っている。
この先、GAFAMの中でマイクロソフト連合に対抗できるのはどこか。筆頭はアルファベット(グーグルの親会社)だろう。ただ、メタ・プラットフォームズ(旧フェイスブック)や、クラウドサービスで首位を走るアマゾン・ドットコムのクラウド部門(アマゾン・ウェブ・サービス、AWS)も大規模言語モデル(LLM)を独自に開発しており、今後どんな番狂わせが起こるかはわからない。
LLMの性能を評価する指標の1つに「パラメーター数」があるが、グーグルのPaLMは5400億とGPT-3.5の3550億を上回る。グーグルは4月20日、グループ傘下のディープマインドとグーグルのAI研究部門を統合することを発表。オープンAIへの対抗姿勢を鮮明にしている。
最先端のLLMを開発するのは大半が米国の企業だが、もう1つのAI大国である中国も追い上げに必死だ。2023年3月には百度(バイドゥ)が、対話型AIの「文心一言」を発表。4月にはアリババグループも最新の大規模AI言語モデル「通義千問」を公開するなど、これに続く。
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