東京海上の2社が三菱UFJ銀行でも「スパイ活動」 際立つ手口の悪質さ、不正競争防止法違反の疑い

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三菱UFJ銀行でも機密情報の「スパイ活動」をしていたことが発覚した東京海上グループ(記者撮影)

顧客情報などの漏洩問題をめぐって、東京海上グループにおける不正競争防止法違反の疑いが一段と強まっている。不正競争防止法とは、産業スパイなどを取り締まる法律である。

東京海上日動火災保険と東京海上日動あんしん生命保険は2月21日、両社から三菱UFJ銀行に出向していた複数の社員が、同行の顧客情報や業務資料などを漏洩していたと発表した。

漏洩問題は、2024年春に保険各社で露呈し、両社もその再発防止策を同年夏に公表していた。東京海上グループ全体で社員ヒアリングなどの調査を続ける中、社員からの申し出をきっかけに2024年10月に発覚したという。

2020年から2024年にかけて、東京海上日動火災では銀行と取引などがある法人28社、あんしん生命では法人8社のほか住宅ローンの契約者約3.8万人分の識別番号などを漏洩していた。

スパイさながらの情報漏洩の手口

悪質なのは、「スパイ活動」さながらの情報漏洩の手口だ。

東京海上日動火災では、三菱UFJ銀における保険の販売額のほか、銀行におけるデジタルトランスフォーメーション(DX)施策に関する業務資料などを出向者が漏洩していた。情報の一部は、出向者がスマートフォンのカメラでパソコン画面を撮影するなどしたものを、「Microsoft Teams」などの情報ツールで送信したり、印刷した資料を出向元の社員に手渡ししたりしていたという。

あんしん生命では、住宅ローンの契約者情報に加えて、競合生保が作成した三菱UFJ銀の行員向け研修資料も持ち出していた。

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