損害保険大手の三井住友海上火災保険から、三井物産の保険代理店である三井物産インシュアランスに出向している社員が、競合する損保や生命保険会社の契約者情報を出向元に漏洩していた疑いがあることがわかった。
複数の関係者が明らかにした。三井住友海上は「現在事実関係などを調査中だ」としている。
出向者による情報漏洩問題をめぐっては、損害保険ジャパンと東京海上日動火災保険、あいおいニッセイ同和損害保険の3社で、保険代理店や自動車ディーラーへの出向者が出向元に契約者情報を漏洩していたことが判明している。
金融庁への報告提出期限は8月末
事態を重く見た金融庁は、大手損保4社に対して保険業法と個人情報保護法に基づく報告徴求命令を7月22日に出している。報告の提出期限は8月末だ。三井住友海上でも疑いが出たことで、損保大手4社すべてで出向者による情報漏洩問題が発生したことになる。
損保業界に限らず、足元では生命保険業界でも同様の問題が発覚している。第一生命保険は8月8日に、同社から東証グロース上場の保険代理店アイリックコーポレーションに出向している社員が、競合他社の契約者情報約7万2000件を第一生命グループのネオファースト生命保険に漏洩していたと発表している。
大手生損保各社は目下、代理店などへの全出向者に対してヒアリング調査を実施している。その結果として情報漏洩問題の火の手が今後さらに広がる可能性がある。
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