保険業界で相次ぐ情報漏洩問題。その深い闇の経緯と舞台裏を探る。
ビッグモーターによる保険金不正請求問題をきっかけに、ひた隠しにしてきた保険業界の「パンドラの箱」が開いてしまったーー。
昨夏発覚した企業・団体向け保険における保険料カルテル問題に続いて、パンドラの箱から飛び出してきたのは、契約者情報の漏洩という問題だった。
またもや特大の不祥事が飛び出したことで、金融庁は即座に保険業法などに基づく報告徴求命令を損保各社に出す事態に発展した。
「顧客軽視」の業務運営がまかり通る保険業界にあって、その闇の深さがうかがえる情報漏洩問題。組織的な「スパイ活動」の疑惑すら持ち上がる中で、同問題の経緯とその舞台裏を探る。
情報漏洩を華麗に黙認
「これは問題ではないのか」。今年4月、そう声を上げたのは中部地方の営業拠点に異動したばかりの東京海上日動火災保険の社員だった。同社員が受け取ったメールの添付ファイルに、競合他社の契約者情報がそのまま入っていたのだ。
メールの送信元は取引している大手の自動車ディーラー。同ディーラーの本部が傘下の販売店に自動車保険の契約者情報をまとめて送った際、メールの「CC(カーボンコピー)」欄に、契約関係のない損保の担当者も入っていたという。
誤ってCC欄に入れたわけではない。
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