ニデックの"敵対的TOB"次は牧野フライスに触手 永守氏の野望は「世界一の工作機械メーカー」

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2024年に敵対的TOBでニデックの完全子会社となったTAKISAWA(写真左下)。牧野フライスはどうなる(撮影:尾形文繁)

年の瀬の2024年12月27日、工作機械業界に激震が走った。モーター世界大手のニデックが、大手工作機械メーカーの牧野フライス製作所にTOB(株式公開買い付け)を実施すると発表したのだ。

牧野フライスは、国内で上場している工作機械メーカーの中でDMG森精機やオークマと並ぶ大手の一角。ニデックは完全子会社化を目指す方針で、全株を取得する場合の買収金額は最大2500億円超に上る。

事前交渉はなく、牧野フライスは「当日に初めて知った」(IR担当者)。賛否を明らかにしておらず、今年1月10日には、社外取締役4人で構成される特別委員会を設置すると発表。買収提案の是非や取引条件、さらに手続きの妥当性や公正性について検討する方針という。

牧野フライスの売上高は直近の2024年3月期で2253億円。ニデックの工作機械事業の売上高は現状1000億円超とみられ、合算で3000億円を優に超える。もし買収が実現すれば、接戦してきたオークマを引き離し、DMG森精機(2023年12月期の売上高5394億円)に続く規模となる。業界でニデックの存在感が高まるのは必至だ。

2023年にはTAKISAWAに敵対的TOB

ニデックの永守重信・グローバルグループ代表は、かねて「世界一の総合工作機械メーカーを目指す」と公言し、関連企業の買収を繰り返してきた。

2021年の三菱重工工作機械(現ニデックマシンツール)から始まり、これまでに計4社を買収。2023年には東証スタンダード市場に上場していたTAKISAWAに同意を得ないままTOB(後にTAKISAWA側も賛同)を仕掛け、傘下に収めた。

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