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「遺言」&「エンディングノート」のうまい書き方。学校では教えてくれない相続トラブル回避術

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エンディングノートを勧める息子と拒否する高齢の父親のイラスト
(イラスト:奈良裕己)

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10人に1人が相続税の課税対象になる大相続時代。「わが家に金目のものはない」と油断していると、とんでもない相続税が発生することがある。本特集を使って事前に戦略を立てていれば、「そのとき」に慌てずに済む。

海外のほとんどの国には戸籍制度がない。そのため遺言や信託がないと財産を相続させることができない。一方、日本には戸籍制度があって相続人を確定させやすい。だから、遺言についてのリテラシー(特定分野の知識や理解力)がほとんどない。遺書と遺言すらごっちゃになっている。

遺書は飛び降りる前に「先立つ不孝をお許しください」と書くものだが、遺言書は財産をどう相続させるか、意思表示するためのものだ。遺言書は私文書でも成立するが、日付がなかったり、夫婦の連名になっていたりすると無効になる。遺産分割の正式な意思表示なのだから、やはり数万円の費用はかかっても公証役場に行くなどして公正証書として作成することをお勧めする。

また、自筆証書遺言は被相続人の死亡後に裁判所の検認を受けて開封しなければ法律違反になる(無効にはならない)。葬儀が終わった後、遺言書の封を開けたら葬式のやり方や埋葬方法が書いてあったという話もあるが、それらはエンディングノートなどで周知すべきことだ。

遺言はトラブルを避ける第1の方法

遺言をいちばん作らないといけないのは、子供のいない夫婦だ。遺言がないと、財産形成に何の寄与もない亡夫の兄弟が出てきて「4分の1よこせ」となる。これに対して遺言を残しておけば全部妻に渡せる仕掛けが、ほとんど知られていない。

離婚した前妻に子供がいる場合も遺言が威力を発揮する(別記事参照)。遺言がなければ裁判になっても勝ち目はない。

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