「半導体ウェハー2強」信越とSUMCOで株価に明暗 2023年上昇率は信越が70%超、SUMCOは19%
半導体チップは超平坦に加工した円盤状のシリコンの板に回路を形成し、切り分けて作られる。この円盤状の基板であるシリコンウェハーで「世界2強」なのが日本企業の信越化学工業とSUMCOだ。だが、株価の上昇率では明暗がくっきり分かれている。
“明”となっているのは信越だ。ウェハー市場で約3割のシェアを握り、世界トップに君臨する。
一般的な知名度は決して高いとは言えないものの、信越の時価総額は国内全上場企業の中でトップ10に入る約11兆円。住宅の配管などに使われる塩化ビニル樹脂でも世界トップの企業だ。
SOX指数と連動し上昇した信越の株価
下の図は2023年初めからの株価上昇率だ。信越の株価は1年間で70%超上昇。塩化ビニル事業の規模も大きいものの、インテルやエヌビディア、TSMCなどアメリカ市場上場の主要半導体銘柄で構成されるSOX指数と連動しており、半導体関連として見られていることがわかる。
一方で、“暗”となっているのはウェハー専業で、時価総額8000億円前後のSUMCOだ。
昨年1年間の株価上昇率は19%にとどまった。日経平均株価の上昇率(33%)も下回ることを踏まえれば、株式市場の評価は信越と真逆とも言えるだろう。
両社ともほとんどの半導体メーカーと取引関係にあり、事業環境は大きく違わないはず。なぜここまでの差が開いているのか。
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