“株価ストップ安”に沈んだ東京エレクトロン、快進続くアドバンテストの明暗、ディスコとイビデンは強気→「AI半導体ブーム」の現在地
他方、AI半導体の恩恵をよりダイレクトに受ける企業では、東京エレクトロンとは対照的に強烈な決算が相次いでいる。
最終工程で使われる半導体テスターを手がけるアドバンテストは、その代表的な一社だ。
同社は2025年第1四半期(4〜6月)の営業利益が、前年同期比で約4倍の1239億円となった。これを受けて、期初では前期比6.1%増の2420億円としていた2025年度の営業利益予想を、同31.5%増の3000億円へ引き上げた。期中での上方修正は5四半期連続と、拡大の勢いが止まらない。
アドバンテストは、AI半導体市場でいまだ独走状態にあるエヌビディア製GPUのテスト装置を一手に引き受けていることで知られる。今回の上方修正も、エヌビディア向けの需要がさらに上振れたからだ。
営業利益が2.8倍に拡大した前期に続き、この強烈な伸びはいつまで続くのか。同社のダグラス・ラフィーバCEOは「現時点で、来2026年度もテスターの需要が減速する理由は見当たらない」と強気で「独自チップの比率がより大きくなる」と説明する。
現在はエヌビディアのGPU向けが主な用途だが、アメリカのグーグルやアマゾン、メタといった「ハイパースケーラー」たちは自社で独自のAI半導体を開発中だ。こうした独自チップ向けの引き合いも増えている。

ディスコ・イビデンも強気
研削・研磨装置を手がけるディスコも、アドバンテストと同様にAI需要の追い風を一身に受ける。通期での業績見通しは示していないものの、依然としてAI向けでの恩恵を受けている。
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