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〈専門家の視点〉新浪氏がサントリー会長辞任、依存症専門医が語る大麻規制厳格化の影響・・・他方、治療の最前線でみられる深刻な被害実態とは?

サントリー会長を辞任した新浪氏。9月3日の経済同友会の会見では「法を犯しておらず、潔白だと思っている」と述べた(写真:ロイター/アフロ)
9月1日、大麻由来成分を含むサプリメントをめぐる疑いをきっかけに、新浪剛史氏がサントリーホールディングスの会長を辞任した。
購入したとされるサプリメントには、日本で規制されている大麻由来成分「THC(テトラヒドロカンナビノール)」が含まれていた疑いが持たれている。一方、3日の経済同友会の会見で新浪氏は同じく大麻由来だが適法の「CBD(カンナビジオール)」サプリメントという認識であったと主張した。
そもそもTHCやCBDにはどのような違いがあるのだろうか。他方、依存症の現場ではより身近で深刻な健康被害が進行している。国立精神・神経医療研究センターの精神科医として依存症治療を専門とする、松本俊彦氏に聞いた。
※本記事はCBD製品などの利用を促進するものではありません。CBDについても妊婦や授乳中の使用による安全性については十分な研究データはなく、疾患を持つ人、薬を服用している場合なども使用に注意が必要な場合があります。
どちらも大麻成分だが、作用が異なる
――今回、話題となっている大麻成分「CBD」と「THC」の違いについて教えてください。
どちらも大麻由来の成分だが、作用が異なる。THCは中枢神経に働きかけ、精神への作用や気分の高揚などをもたらすために、日本をはじめとする各国では含有量が規制されている。
一方、CBDは気分への影響は少なく、筋肉痛などの炎症を抑えるとか、リラックス作用といった「鎮静」作用があるとされている。海外ではてんかんなどの治療薬として利用している国もある。
――新浪氏の件で問題視されているのは、「CBD製品」に含まれる「THC」の含有量ですね。
世界的に、「THCの含有量を極力抑えましょう」という流れはある。
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