精神疾患の治療に「幻覚剤」、どのように効くのか 『幻覚剤と精神医学の最前線』書評

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『幻覚剤と精神医学の最前線』デヴィッド・ナット 著
幻覚剤と精神医学の最前線(デヴィッド・ナット 著/鈴木ファストアーベント理恵 訳/草思社/3300円/392ページ)
[著者プロフィル]David Nutt/精神科医。英インペリアル・カレッジ・ロンドン付属ハマースミス病院医学部脳科学部門の神経精神薬理学教授。欧州脳委員会、英国精神薬理学会、英国神経科学学会、欧州神経精神薬理学会の会長職などの要職を歴任。

精神医学は100年以上前から失敗を繰り返してきた。マラリアに感染させて梅毒患者の進行麻痺(まひ)を治療する発熱療法、精神病患者にインスリンを大量投与して低血糖ショックを起こさせるインスリンショック療法、精神病患者の前頭葉の一部を切除するロボトミー手術などを行い、患者を死亡させたり重い障害を負わせたりした。

現在も、金儲けのために電気けいれん療法(脳に電流を流してけいれんを起こさせる電気ショック)を乱発する病院が存在する。看護師らの人手不足を理由に入院患者を次々と身体拘束する病院も各地にある。

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