心の病は「困りごと」が原因、治療法は皆が使える 『心の病気はどう治す?』佐藤光展氏に聞く

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『心の病気はどう治す?』著者の佐藤光展氏
佐藤光展(さとう・みつのぶ)/医療ジャーナリスト OUTBACKプロジェクト共同代表。神戸新聞を経て、2000年読売新聞東京本社に移り、数々のスクープで「医療の読売」を支える。著書に『精神医療ダークサイド』(講談社現代新書)など。OUTBACKアクターズスクールは、22年度こころのバリアフリー賞を受賞。(写真:編集部撮影)
心の不調を感じたとき、どうしたらよいのか。本書は決して精神疾患のある人だけを対象にしたものではない。心と向き合ってきた医師たちの葛藤や治療法を通じて、日々の心の健康を保つため、社会の中でより生きやすくなるための具体的な方法を得られる。長年、精神医療を取材しながら、自らも精神疾患のある人と関わる活動を始めた著者が、今考えていることを聞いた。
『心の病気はどう治す? 』(佐藤光展 著/講談社現代新書/1078円/256ページ)書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします。

──心の病気というと身近なものではうつ病を思い浮かべますが、本書の第1章を依存症にしたのはなぜですか。

健康な人にとっても地続きで想像しやすいからです。

依存症患者は困りごとを抱えているのが明確にわかる人たち。人はストレスがあまりに大きすぎると一線を越える。「脳が壊れた」ということではなく、助かる道が見つからずに必死の思いですがったものが、アルコールや非合法な薬物だったと。過度なストレスによって心が悲鳴を上げている状態は、精神疾患そのものです。

──統合失調症と診断された人の中にも、幼少期に虐待やいじめに苦しんだ人が数多くいると。多くは被害の積み重ねなのですね。

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