──反響は大きいようですね。
私自身は読者の方の反応をあまり見ないようにしています。確かに好評をいただいているようですが、どんなにいい感想でもずっと見ていると疲れてしまうので。
前作『成瀬は天下を取りにいく』が2024年本屋大賞にノミネートされた関係で今作を読んでくださっている方が多いみたいで、それによる盛り上がりが大きい気がしています。成瀬あかりシリーズとしてまとめて読まれている印象ですね。
前作を読んで楽しかったという人の期待を裏切らないことをすごく意識して書いたので、今回も受け入れられているようなのは純粋にホッとしました。
──読者の期待はどこにあると見ていますか?
やはり成瀬のキャラクターでしょうか。成瀬がこんなことしたら楽しんでくれるかな、というのは意識しました。予測不能な行動の多い彼女ですが、成瀬の思考回路が大枠で感覚として自分の中にあって、これは絶対しないっていうのだけ避けて書くようにはしています。何となくわかるんです、成瀬がやること・やらないこと。もし成瀬が嘘をつくとしたら、それは彼女なりの信念があってのものだし、親友の島崎みゆきが絶対大事など、いくつか譲れない点はある。ただ、恋に落ちるというのはないな、そういう感じです。
──舞台は大津、主人公は超個性派女子・成瀬。2大設定のうち、どちらを先に決めたのですか?
成瀬のほうです。前作に収載した「ありがとう西武大津店」でR-18文学賞を受賞したのですが、その前に3回落選が続いていたので、今までと違うことをやらなければという意識がありました。
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