歌舞伎町の路上売春「自己責任」で切り捨てないで 『ルポ 歌舞伎町の路上売春』春増翔太氏に聞く

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『ルポ 歌舞伎町の路上売春』著者の春増翔太氏
春増翔太(はるまし・しょうた)/毎日新聞記者。1984年生まれ。2009年に毎日新聞社入社。甲府支局、盛岡支局、社会部、神戸支局を経て、21年から再び社会部。警察を担当し、事件、事故を取材。社会部では東京パラリンピックのほか、コロナ禍で陰謀論に陥った人、闇バイトに手を染めた若者などを取材。(撮影:梅谷秀司)
新宿区・歌舞伎町にある区立大久保公園の周辺は、何十年も前から路上売春のスポットとして知られている。この地で、2022年の晩秋から明らかな異変が起きていた。
『ルポ 歌舞伎町の路上売春 ――それでも「立ちんぼ」を続ける彼女たち 』(春増翔太 著/ちくま新書/990円/256ページ)書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします。

──なぜ歌舞伎町の路上売春を取材しようと?

私が初めて歌舞伎町の取材をしたのは、東京の社会部で事件担当だった18年の秋。同じビルで女性が飛び降りる事件が1カ月に何度も続き、「なぜ?」と思って記事にした。その後は異動で東京から離れていたが、21年に戻り、当時の取材で知り合った方々に会おうと歌舞伎町に足を運んだ。

そこで偶然出会ったのが、路上に立つ女性たちを支援してきたNPO法人・レスキューハブの坂本新さん。彼が週2回、夜間に開く相談室に私も毎週のように通い、やってくる女性たちに話を聞き始めた。21年秋のことだ。

──1年ほど経った22年11月ごろから、女性が激増したそうですね。

コロナ禍が落ち着き、ちょうど歌舞伎町に人が戻ってきた頃だ。客を待つ若い女性が増えたし、男性も増えた。買う人のみならず、見物客やユーチューバーなども。警視庁が取り締まりを強化し始めた23年7月ごろがピークだった。

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