新聞連載の「無縁遺骨を追う」「大名家の墓じまい」などのルポをまとめた。自分の死も考えながら取材を進めたという。
──遺骨、墓など「死後」の問題を扱っています。きっかけは?
2022年、50歳を過ぎて『週刊朝日』編集長から新聞へ異動。記者として現場に復帰することになり、デジタル版の連載企画を提案するように言われた。
そんなタイミングで飛び込んできたのが、日本を代表する女優だった島田陽子さんの死。居住地である渋谷区が2週間ほど遺体を保管した後、遺体の引き取り手が現れないまま荼毘(だび)に付されたというニュースは衝撃的だった。
島田さんほどの著名人でもこうした最期になるのであれば、引き取り手のない遺体はたくさんあるはずだから調べてみたいな、と。とくに東京都内では多くの人が孤独死されているだろうと考えて企画を提案。「無縁遺骨を追う」というテーマで取材を始めた。
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