結婚しても子どもをもたない夫婦、いわゆる「おふたりさま」が増えている。
共働きが多く経済的に豊か、仲よし夫婦が多いなどのメリットはあるものの、一方で「老後に頼れる子どもがいない」という不安や心配がある。
そんな「おふたりさまの老後」の盲点を明らかにし、不安や心配ごとをクリアしようと上梓されたのが『「おふたりさまの老後」は準備が10割』だ。
著者は「相続と供養に精通する終活の専門家」として多くの人の終活サポートを経験してきた松尾拓也氏。北海道で墓石店を営むかたわら、行政書士、ファイナンシャル・プランナー、家族信託専門士、相続診断士など、さまざまな資格をもつ。
その松尾氏が、「自分がどこに埋葬されるか(どこのお墓に入るか)の選択肢」について解説する。
「配偶者の家のお墓に入る」という違和感
老後のことを考えはじめると、気になるのがお墓の問題です。
自分は将来、どこのお墓に入るのか。
「よくわからない」という人も少なくありません。
そして案外多いのが「配偶者の家のお墓に入りたくない」というケースです。
よくある2つのケースを紹介しましょう。
<<B子さんのケース>>
B子さんは晩婚で、結婚したのは40代。夫の両親やきょうだいとは結婚の挨拶で会ったくらいで、行き来はほとんどありません。
たまたま夫の実家のお墓参りに行ったとき、ふと考えたそうです。
「もしかして、私が死んだらこのお墓に入るのだろうか……」
自分が死んでお墓に入るとき、ほとんど交流のなかった人の隣に埋葬されると考えて「ちょっと嫌だなあ」という気分になったのです。
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