人生100年時代がやってきました。長い老後をどのように過ごせばいいのでしょう。
最期まで前向きに生きるためには「老いゆく自分を客観的にみつめ、受け入れること」「視野を広げて自分の置かれている状況、社会的な状況を知ること」この2つが大切だという、評論家の樋口恵子さん。現在92歳の樋口さんが、日々感じていることや実践していることを『老いてもヒグチ。転ばぬ先の幸せのヒント』から3回に渡ってご紹介します。
第3回は「自分の葬儀とお墓のこと」を考えていきます。
元気なうちに連絡を取り、悔いのない別れを
私は「葬儀無用。親しい人だけが集まる家族葬でお願いしたい」と思っています。
葬儀というものは、見送る人たちの思いを語り合う場でもあるので、葬儀自体を否定するつもりはありません。しかし、90代になった私が「葬儀無用」と言い出したのは、自分の死をはっきりと意識し始めたことと、超高齢社会の到来を実感しているからです。
超高齢社会の葬儀は、亡くなる人が90代なら、会葬する友人も多くは90代です。体調の悪さを押して葬儀に出かけ、体調を崩したという人も珍しくありません。
離ればなれに住んでいるきょうだいの葬式であれば、何がなんでも駆けつけなくては、と思っても、高齢者は「移動」ができないのです。
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