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92歳女性が「葬式はしない」と決めた納得すぎる訳 お墓問題は「体力気力があるうちに決着つける」

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  • 樋口 恵子 東京家政大学名誉教授/NPO法人「高齢社会をよくする女性の会」名誉理事長
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私自身、ヨタヘロになってつくづく思うのは、移動のための身体能力は割合早く失うということ。

例えば、私は車いすに乗せてさえくれれば、飛行機に乗ることはできますが、行った先の空港で車いすを操り、1人で移動する自信はありません。新幹線ならなおさら、道中は困難を極めるでしょう。家族や友人に「一緒にお葬式に来て」とはとてもいえません。

体が弱っていても話ができるのなら、安否が気になる人には電話をするとか、手が不自由でなければ手紙を書くなど、可能な手段を駆使して連絡を取り交流していれば、たとえ葬儀に行けなくても後悔なくお別れができそうな気がします。

故人にふさわしい葬儀なら宗教にこだわらない

さて、皆さんが迷われるのは、家族葬と決めても宗教的な儀式を行うのかどうか、ではないでしょうか。

基本的には、日本は宗教の自由がある国ですから、本人の信仰や家の宗教、喪主の考えに合わせるしかありません。

私の父は浄土真宗のお寺の三男坊でしたが、跡継ぎではなかったので、好きな学問に没頭していました。私も信仰心などこれっぽっちもないのですが、門前の小僧的な真似事で、親鸞聖人が著した「正信偈(しょうしんげ)」なら読むことができます。

無宗教でも、お経くらいは読んでもらったほうが落ち着く、と思うのならお坊さんに来てもらってもいいし、お経を読める人に頼んでもいいと思います。

私の連れ合いは60代の最後に亡くなりましたが、無宗教でした。しかし、学問の仲間が大勢いてお寺で葬儀をしたので、お坊さんの読経とともに盛大に見送りました。仏教寄りの無宗教ですね。

結局、葬儀は故人の年齢や、亡くなった際の立場にもよるし、経済的な事情もあるでしょうから、それらを鑑みて、その人、その家庭にふさわしい方法を選ぶのがよさそうです。

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