92歳女性が「葬式はしない」と決めた納得すぎる訳 お墓問題は「体力気力があるうちに決着つける」

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仏教が敬遠される理由の1つに、死後に何度も行う法事や、お寺とのつき合いにお金がかかることがあげられます。私の連れ合いに関しては、一周忌だけしかしませんでした。毎年、命日にお墓参りに行くのでいいのではないか、と考えています。

一方で葬儀や法事のよさも感じています。

何かのご縁でつながった親族が集まり、お墓参りをする風景は、ほのぼのとした温かみを感じます。法事にしても、普段は疎遠にしている親戚一同、子どもの頃に一緒に遊んだいとこ同士が再会する場でもあります。

みんなで昔話に花を咲かせたり、故人とのかかわりを振り返る貴重なひとときになります。お金がかかり過ぎない程度に、いまを生きている人の心が安らぐ葬儀や法事を行うことは、それなりの意味があると思います。

参考までにどのような葬儀を行っているのかのデータを探してみました。

2020年までは一般葬が主流でしたが、その後、コロナ禍の影響もあり、家族葬や直葬・火葬式が増えました。2022年3月~2023年3月までの調査でも、半数は家族葬を選んでいます[注1]。

注1:株式会社鎌倉新書 いい葬儀「第6回お葬式に関する全国調査」2024

お墓の承継が難しい時代に入った

お墓にはややこしい決まりがあることを知ったのは、最初の連れ合いが亡くなり、私の実家のお墓に納骨しようとしたときのこと。

お寺から「苗字が違う人のお骨(こつ)は入れられない」と断られたのです。これを「一墓所一家名」というそうですが、数十年前までは、家制度の考え方がお墓にも適用されるのが一般的でした。

仕方がないので私は霊園墓地を探して使用料を払い、墓石を建てて、夫の両親のほうのお墓にも分骨するなど、たいへん苦労したものです。

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