「人生の最終盤」で誰しもが直面する"3つの憂い" 「きっちり」食べないと、問題はより深刻になる
「長く生きていればたいがいのことはわかります」。穏やかな人柄からは想像できないような鋭い舌鋒で、さまざまな社会問題に切り込んできた樋口恵子氏も、なんと今年で御年92歳を迎えたそうです。
そんな樋口氏は、人生の最終盤で直面する課題に対応するために、どんな心がまえが必要だと考えているのでしょうか。同氏の著書『そうだ! ヒグチさんに聞いてみよう 92歳に学ぶ老いを楽しく生きるコツ』に寄せられた読者のお悩みから、一部を抜粋・編集してお届けします。
高齢者の12人に1人が「老人性うつ」
もうすぐ80歳を迎えます。このところ毎日、家で1人寂しいなあ、と思いながら暮らしています。気持ちは落ち込んでいくばかりです。昔は明るく元気だったので、その頃に戻りたいのです。
質問を読みますと老人性うつの初期症状かもしれませんね。私が対談させていただいた精神科医の和田秀樹先生によると、老人性うつになると家に閉じこもるようになり、テレビの前で1日ボーッと過ごすようになるそうです。
そんな生活が続くと身体機能や認知機能は低下します。認知症を併発したり筋力が低下して、サルコペニアになってしまう場合もあるようです。
相談者さんのような抑うつ気分の人を含めれば、老人性うつは300万人もいると推測されているとのこと。2023年の高齢者人口3623万人と考えれば、実に12人に1人の割合です。とても多いのです。
今から振り返れば、あれは〈老人性うつ〉だったのかなと思う体験を私もしました。家の建て替えをした84歳の頃です。築40年くらいの家でしたが、耐震検査をしたところ、「次に大きな地震が来たら倒壊の恐れがある」と言われ、ご近所迷惑にならないように建て替える決心をしました。
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