「人生の最終盤」で誰しもが直面する"3つの憂い" 「きっちり」食べないと、問題はより深刻になる

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それからが大変です。一時的に住む場所には入りきらないほどのモノを整理しなければなりませんでした。仕事柄、本や資料が大量にあります。思い出が染みついたモノたちも。1つひとつ吟味して処分していたのですが、とてもつらい作業でした。大きな喪失感があり、〈片づけうつ〉になったようです。

追い打ちをかけたのは高額の出費です。有料老人ホームにでも入ろうかと貯金していた虎の子が、なくなってしまったのです。

後出の初期症状チェックを自分でやってみると、医者にかかったわけではないのですが、うつだったと思います。

そんな時、助手の人たちが「大丈夫、あの資料は捨てていません。あそこにあります」「お金は、まだこれだけあります」と励ましてくれました。家の建て替えをきっかけに原稿の注文も増えて、仕事をしていると不安も和らぎます。

相談者さんも仕事を見つけるとかするのは、いかがでしょう。心因性のうつは、まずは何かに、できれば好きなことに没頭すると気持ちが上がります。また、モノを食べる気がしないということで栄養バランスが悪くなり、うつ症状を引き起こす場合もあるそうなので、しっかりと栄養を摂ってみてはいかがでしょう。

【老人性うつの初期症状チェック】
□やる気が出ない
□集中できない
□物忘れが増えた
□疲れがとれない
□不安な気持ちが続く
□物事に興味がわかない
□眠れない、朝早く目が覚める
□食欲がない
□頭痛や肩こりなど体の痛みがある
(和田秀樹さんとの共著『うまく老いる』[講談社]から一部引用)

初期の自覚症状を挙げました。自分でやってみて、チェックが入った項目が多い場合は専門医を受診してください。初期なら、抗うつ剤の投薬治療で治ります。認知症より治る病気ですので元気を取り戻せますよ。

億劫になる「家事」は無理にやらない

80代前半です。1人暮らしをしていますが、80歳を過ぎた頃から料理や買い物、掃除といった家事が負担になってきました。子どもに迷惑をかけないために、老人ホームに入ることも考えています。まだまだ、1人で暮らせる気もするのですが……。
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