町の病院が次々と破綻、外科医が減り手術が受けられない…現役医師が指摘する「医療の暗黒時代」

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疲れている目を押さえている医師
医師不足、看護師不足は今後ますます加速する(写真:kai/PIXTA)
高齢者医療を支えてきた中規模病院が、次々に破綻している。
コロコロと変わる厚労省の政策に翻弄され、一時は破綻寸前まで追い込まれた病院もある。住民が高齢化した下町の病院長は、この医療制度の過酷な実態を明らかにし、この国の医療と介護をダメにした原因を指摘。日本の医療崩壊を大胆に予測する。
あと5年で行き場のないお年寄りが町にあふれることになる。地獄を回避したいなら、いまが最後のチャンスだ――(熊谷賴佳著『2030―2040年 医療の真実-下町病院長だから見える医療の末路』より一部抜粋・編集。全3回の2回目)。

2030年から始まる医療の暗黒時代

生産年齢人口の減少は、団塊ジュニアが50代後半に差しかかる2030年から急激に加速する。15~64歳までの生産年齢人口が総人口の6割以下になり、労働需要に対して644万人も人手が不足するとの推計もある。

医師不足、看護師不足も加速するだろう。

東京23区内でさえ、すでに医師が集まらずに、特定の診療科が診療不能に陥る事態が起きている。2024年の春には、都内のある病院の腎臓内科が医師不足で透析が提供できず、腎臓関連の手術も断らざるを得ない事態に陥った。

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