より速く、より多く食べるように設計されている? 痩せられない人が知らない「超加工食品」のヤバさ

✎ 1 ✎ 2 ✎ 3
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小
食卓に並んだ数々の加工食品
現代人に肥満が多いのは、消費者に速く、大量のカロリーを摂取させるべく、食品産業が超加工食品を開発したからのようです(写真:freeangle/PIXTA)
食べ過ぎ、買い過ぎ、働き過ぎ、スマホの見過ぎ……。私たち現代人は、「足るを知る」ことが難しくなっている。それは、スロットマシンの設計にも取り入れられた「機会→予測不可能な報酬→迅速な再現性」という、ドーパミン系を刺激する「欠乏ループ」が、商品やサービスなど、ありとあらゆることに取り入れられ、あなたを浪費や依存に駆り立てているからだ。今回、脳に組み込まれた「欠乏ループ」のメカニズムとその対策を示す『満足できない脳: 私たちが「もっと」を求める本当の理由』より、一部抜粋・編集の上、お届けする。

なぜ肥満が増え続けるのか

満足できない脳: 私たちが「もっと」を求める本当の理由
『満足できない脳: 私たちが「もっと」を求める本当の理由』(東洋経済新報社)書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします。紙版はこちら、電子版はこちら。楽天サイトの紙版はこちら、電子版はこちら

1970年代までには、足るを知るという人間の能力が根本的に変えられてしまった。

「肥満のパターンを見てみると、人間はこの100年間はほとんど太り続けています」と、肥満と神経科学の研究者で、『脳をだませばやせられる 「つい食べてしまう」をなくす科学的な方法』(野中香方子訳、ダイヤモンド社、2018年)の著者であるステファン・ギエネは言う。

「70、80、90年代、そして今日に至るまで肥満は加速しています。なぜ人間は食べ過ぎるようになったのでしょうか? 諸説ありますが、あきらかに食べ物と関係があると私は考えています」

1990年代後半、ケヴィン・ホールは博士号を取得しようとしていた。喫煙率が下がったため、心血管疾患は1950年代のピークからは減少していた。だが、肥満の増加に伴って数十年前からまたこの病は増加していた。

次ページ栄養学の取り組み
関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事