ある日のジャンクフードの夕食は、脂肪分たっぷりのハンバーガーにバター入りのマッシュポテトとグレービーソース。チマネ族版は、赤身のステーキに白いご飯と野菜を添えたもの。
「提供する2種類の食事のカロリーや、炭水化物、脂肪、糖、ナトリウム、タンパク質、食物繊維の量は同じでした。もし本当にこれらの栄養素が体重を増加させているのであれば、違いはないはずだと思ったのです」とホールは言った。
ホールの研究チームは、被験者が食べたものすべてを確認し、重さを量り、記録した。
そして、標準的なアメリカ人の食事の期間は、デザートにはクッキーやグラハムクラッカー、砂糖漬けの果物、ピーナッツバターのスナック菓子が出された。いっぽう、チマネ族のデザートは、ベリーを添えたプレーンヨーグルト、オレンジ、あるいはリンゴのスライスだった。
結果はいかに? クッキーやチーズバーガー、ヨープレイトのヨーグルト、バターとクリームを加えたマッシュポテトに塩味の濃いグレービーソースをかけたものを与えると、人間はそうした食べ物をどんどん食べ、ついには太って心臓病で死ぬことになる。
ベリーを添えたプレーンヨーグルト、あるいは薄い味付けのジャガイモや赤身肉、ライスを与えれば、そうした食べ物を足りる分だけ食べ、食べ物の欠乏ループに陥る可能性が低くなるだろう。
超加工食品は大量のカロリーを摂取させる
この研究の被験者は、食べるというよりも飲み込むようにジャンクフードを摂取した。「超加工食品を与えると、被験者たちは1日500キロカロリー多く食べ、体重と体脂肪を増やしました」とホールは言う。けれども、チマネ族のような食事を与えると、「自然と食べる量が減り、体重と体脂肪も減ったのです」。
考えられる説明はいずれも、欠乏脳と豊かな世界に帰するようだ。
その1つが、超加工食品は一口ごとのカロリーが高いことだとホールは言う。「超加工食品には、カロリーが濃縮されます。だから栄養素に関係なく、一口ごとのカロリーが多くなるのです」。たとえば、60グラムのジャガイモを食べるとしよう。焼いただけなら50キロカロリーだが、ポテトチップスなら360キロカロリーだ。
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