のみならず、ホールは彼らに電話をかけて憤りをぶちまけ、厳しい質問をした。そして、人類は長きにわたって食べ物を加工してきたが、肥満が増えたのはつい最近のことではないかと指摘した。
「『超加工食品のどこが悪いと考えるのですか』と私は彼らにたずねました。すると、返ってきた答えはことごとくその主張と矛盾するものでした。『そうですね、こうした食品は糖分、塩分、脂肪分が多く、食物繊維とタンパク質が少ないので』と言うので、私は、『ちょっと待ってください。それは栄養素の名前をあげただけですよね。栄養素の問題ではないと言っておきながら、私が追及すると真っ先に、これらの食品にはいずれも悪い栄養素が多く、良い栄養素が少ないと言うのはおかしいですよ』と言い返しました。私には、彼らの主張は知的怠慢に思えました」
2つの食事を比較した実験
だれかを黙らせる唯一の科学的な方法は、特にその人が科学者である場合、データで相手の間違いを証明することだ。確かな数字と数値によって。
「それで、研究室に20人の被験者を連れてきて、1か月間一緒に過ごしてもらいました」とホールは言った。「毎日3食とスナック菓子1箱を与え、好きなものを好きなだけ食べるようにという簡単な指示を出しました」。
このような厳密に管理された研究は、調査にもとづく標準的な栄養研究よりも信頼性が高い。科学者が正確な食事量を測定し、運動、喫煙、ストレスなど、体重に影響を与える可能性のある他の要因をすべて管理するからだ。
半月のあいだ、被験者の食事と間食は超加工食品だらけの標準的なアメリカの食事だった。残りの半月は、ボリビアのジャングルの奥地に暮らすチマネ族のような食事にした。
標準的なアメリカの食事期間中の朝食は、バターを塗ったクロワッサン、脂っこいポークソーセージ、青い容器のヨープレイトのヨーグルトといったものだった。チマネ族の期間は、卵にジャガイモと野菜。
ある日のジャンクフードの昼食はチーズバーガーとフライドポテト。チマネ族の昼食はサーモンにサツマイモとインゲン。
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