
蛙化(かえるか)現象という言葉を聞いたことがあるだろうか。蛙化現象とはもともと恋愛関係において、好きだった相手が自分に好意を示してくれた途端、一気に気持ちが冷めてしまう心理現象として使われていた。
それが段々と広義に解釈されるようになり、魅力的だったり、尊敬したりしていた相手を、ちょっとした行動や癖がきっかけで幻滅してしまうようなことを蛙化現象と呼ぶようになった。
職場における蛙化現象とは?
この解釈で言えば、部下と上司の関係においても蛙化現象は散見される。最も典型的なパターンが、尊敬していた上司が研修から戻ってくると、これまでの言動が一変し、部下が戸惑ったり、引いてしまったりするパターンだ。
こんな場面を想像してほしい。
金曜日まで「結果がすべてだ」と言っていた課長が、月曜日に出社すると「結果も大事だが、プロセスはもっと大事だ」と言い始めた。どうも、週末の研修で学んだことを、そのまま職場に持ち込んでいるらしい。当然、部下たちは困惑した。「この人、本当に理解して言っているのか?」と。
若手社員の中には、すでに大学でリーダーシップ教育を受けた人もいる。彼らからすれば、初歩的なコーチング手法を使おうとする上司にどう対応すればいいか困るという。
また、ある大手メーカーの営業部では、実際にこんなことが起きた。50代の部長が「サーバントリーダーシップ研修」から戻ってきた翌日。朝礼で突然「これからは皆さんの意見を最優先にします」と宣言したのだ。
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