
「なぜうちの新人たちは、こんなにも早く辞めてしまうんだ……」
ある中堅企業の人事部長が頭を抱えていた。15人の新卒社員のうち6人が、わずか半年で退職。第二新卒で採用した7人のうち3人も去っていったというのだ。離職率は実に40%を超える異常事態だ。
話し方を考えるのは旅行プラン立案と同じ
若者たちを退職させてしまった上司たちには、ある共通点があった。
意外にも、上司たちはみんな、コミュニケーション能力の向上に熱心だった。話し方教室に通い、プレゼンテーションを学び、傾聴スキルを磨いた"マジメな管理者"だった。
しかし決定的な問題があった。「自分視点」から抜け出せなかったのだ。
これは旅行に例えるとわかりやすいだろう。
たとえば、あなたが旅行代理店の店員だとしよう。
お客様に「絶対に楽しめる最高の旅行プラン」を提案する、と宣言する。豪華なホテル、有名な観光地、グルメツアー。完璧なプランだ。
しかし、そのお客様が求めていたのは「1人でゆっくり海外を旅したい」だったらどうか?
あるいは「国内の歴史的建造物を静かに見て回りたい」だったら?
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