「この人に一生ついて行こう!」と思わせた上司の言葉。優れた上司は仕事ができない部下も褒めることができる

関係欲求を満たすために部下を認めることは重要であり、認めることの1つが「褒める」ということです(写真:kapinon/PIXTA)
今、多くの企業が人手不足に悩み、離職を防ぐことは喫緊の課題となっています。
そのため、部下の離職対策に取り組む企業が増えています。ただ、いざ取り組もうとしても、それがなかなか難しいケースもあります。
その1つが「部下を褒める」ということです。
そこで、経営心理士として1200件超の経営改善を行い、経営心理士講座を主宰する、一般社団法人日本経営心理士協会代表理事の藤田耕司氏の著書『離職防止の教科書――いま部下が辞めたらヤバいかも…と一度でも思ったら読む 人手不足対策の決定版』から一部を抜粋・再編集し、部下を褒めることが大事と分かっていても、なぜ褒められないのかについてお伝えします。
離職率を大きく下げた4つの欲求を満たす取り組み
今、多くの日本企業は人手不足の状況にあります。
人手不足の状況で社員に辞められると、現場が回らなくなります。実際、人手不足が原因の倒産件数は毎年右肩上がりで増え続けています。
そのため、離職は多くの企業で深刻な問題となっています。
私が主宰する経営心理士講座では、離職防止に向けた取り組みについて指導しています。
その骨子は人間が根源的に抱く次の4つの欲求を満たす関わりをするということです。
生存欲求:食べ物や安全な環境を求め、安心・安全に生きていきたいという欲求。
関係欲求:良好な人間関係を築き、人から認められたいという欲求。
成長欲求:苦手を克服し、創造的、生産的でありたい、自らの可能性や才能を発揮していきたいという欲求。
公欲:人に喜んでもらいたい、人や社会の役に立ちたいという欲求。
この4つの欲求を満たす取り組みを続けた結果、離職率55%、毎年何十人も社員が辞めていた会社で離職者が0になった事例や、離職率40%の会社で離職者が0になった事例など、離職者が減ったという多くの事例が出ています。
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