古代から問題は続いている。ローマ帝国によってバラバラになったユダヤ民族が2000年をかけてイスラエルを建国するまで何が起こったか

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全人類の教養大全
世界各地に散らばった民族が国家をつくるまで(写真:Kirill Neiezhmakov/PIXTA)
一度滅んだ国家が2000年後に復活するのはきわめて特異である。
いうまでもなく、ユダヤ民族の国家であるイスラエルだ。古代、新バビロニア、ペルシア、ローマ帝国といった周囲の強国に何度も征服され、移住させられ、抑圧されたユダヤ民族はある思想を胸に抱いていた。
救世主が現れて民衆を救ってくれるはずだという「イザヤのメシア思想」だ。この思想はイエス・キリストにまでつながっている。
また、ユダヤ民族を指す「ヘブライ」という言葉は、『旧約(聖書)』に登場する「アブラハム」に関連する言葉で、アブラハムはユダヤ教、キリスト教、イスラム教すべての祖先であり預言者に当たる。
世界で300万部を突破した教養書『全人類の教養大全0』著者であるチェ・ソンホ氏は、ユダヤ民族がたどって来た歴史をわかりやすく解説している。

「イスラエル」はアブラハムの孫の別名

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聖書には彼ら「ユダヤ人」を称する単語がいくつか出てくる。ヘブライ人やイスラエル人、ユダヤ人などだ。いずれも同じ「ユダヤ民族」のことを指す。

「ヘブライ」は『旧約』に登場するアブラハムに関連した単語で、アブラハムはユダヤ教とキリスト教、イスラム教の祖先にあたる。

彼が川を渡って移住して来たことから、「横断する」や「渡る」という意味の“イブリー”から来たものだと思われる。アブラハムの祖先であるエベルの名前から来ているという説もある。

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