ユダ王国もアッシリアの脅威にさらされた。そんな混乱の時代に預言者イザヤが現れる。
イザヤはアッシリアの侵攻と、さらに大きな脅威となる新バビロニアの侵入を予言し、人々の不道徳を叱り、いますぐに悔い改めてただ神さまだけを頼るように言った。
また、処女が妊娠して息子を産み、将来のメシアがこの世に訪れ、そのときはじめて神の国が到来するだろうという予言を残した。
ついにローマ帝国に滅ぼされ国を追われる
紀元前6世紀に新バビロニアの王ネブカドネザル2世が侵攻してくると、ついにユダ王国は滅亡。王国を失ったユダヤ人は捕虜になって、バビロンに強制移住させられた。
紀元前598年から紀元前539年まで、4万人余りが奴隷になったり、ジッグラト(階段状の神殿)の建設に動員されたりしたのだが、これを「バビロン捕囚」という。
この時期に、救世主が現れて自分たちを救ってくれるはずだという「イザヤのメシア思想」がユダヤ人に深く根づいていった。
バビロン捕囚はバビロンがペルシアによって征服されるまで、60年間つづいた。
ペルシアは紀元前539年にユダヤ地域を占領し、ユダヤ人がここに戻ってきて聖殿を建てることを許可したけれど、ユダヤ人の生活は安定せず、戦争と混乱がつづいた。
ペルシアはアレクサンドロス大王によって滅ぼされ、ユダヤ地域はアレクサンドロスの死後、彼の将軍たちによって分けられた3つの国家のうち、セレウコス朝の支配下に入った。紀元前4世紀のことだ。
その後紀元前63年には、ローマ帝国がこの地域を占領した。ユダヤ人は紀元後66年に抵抗を試みたものの、失敗。この地域ではその後も紛争が絶え間なくつづいた。
ユダ王国が滅亡して以来、ユダヤ人は歴史上一度も統合された国家を持つことはできなかった。
以後、国を持たないユダヤ人は全世界に散らばり、さすらうことになる。
彼らがふたたび国家を形成したのは現代になってから――。
それが1948年、ユダヤ人によって建国されたイスラエルだ。
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