「パレスチナ問題」こんなにも複雑になったなぜ 人気世界史講師が今さら聞けない常識を解説

世界で最も解決が困難な問題
常に中東問題の中心であり続けるパレスチナ問題は、「世界で最も解決が困難な問題(The world's most intractable conflict)」と呼ばれており、背景説明だけで本1冊が書けるほどです。なるべく簡潔に説明をしていきます。
まずパレスチナ地方の場所をおさえてください。ここにはアラビア語を話すイスラーム教徒が多く住んでいます。彼らがパレスチナ人です。この地にヨーロッパからユダヤ教徒(ユダヤ人)が入植してくる過程を見ていきます。

19世紀末はヨーロッパの各地で反ユダヤ主義(アンチ=セミティズム)が流行した時代でした。ヨーロッパの各国でナショナリズムが高まりを見せ、国民統合のためにユダヤ人を国内の敵と見る風潮が広がっていたのです。
ユダヤ人というだけでスパイ容疑を受け、のちに冤罪とされたドレフュス事件がフランスで起きたのもこの時代です。ユダヤ人はこの迫害から逃れるためにユダヤ人国家の建設を考えます。これがシオニズム運動です。
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