私立の中高一貫進学校でも「予備校は必須」? 早稲田合格へのリアルな道のり。親が直面する「予備校費用100万円超」の現実

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早稲田大学
早慶以上を狙うのが当たり前、という雰囲気の進学校もありますが、実際に合格できるのは一握り。合格を勝ち取るためには親のサポートと経済力が大きく左右している、という面は否めません(写真:makoto.h / PIXTA)
現代の大学受験は親世代が経験したものとは違う様相を呈しています。「かかるお金は?」「親のサポートはどこまで?」ーー。連載「大学受験のリアル」は実際に最近、子どもの大学受験を経験した保護者から話を聞き、ありのままの大学受験体験談を伝えていきます。

さまざまな入試方式の出現で複雑化している大学入試。最近の大学受験は合格に向けて勉強を頑張るのはもちろん、早めの情報収集が欠かせなくなってきた。

現在、早稲田大学に通う男子学生は、中学受験を経て都内の難関私立中高一貫校に進学、そこから一般入試で同大学に合格した。

地方在住者の中には東京の難関私立一貫校ならば学習進度も速いため、大学入試まで安泰というイメージを持つ人もいるようだが、実はそうとも言えない。彼は高校2年生から大手予備校に通い始めたという。一般入試で早稲田大学に合格するまでの道のりを聞いた。

私立の中高一貫校へ進学

都内、東急沿線にある閑静な住宅街に暮らす田崎敬志君(仮名・大学生)。中学受験を経て偏差値60台前半の難関私立男子校に合格。中高一貫校のため高校に上がるまでのんびりと中学校生活を送っていた。

学校は自主性を重んじる校風で、勉強に関してもテストで赤点を取らないかぎり、それほど厳しい指導もない。

母親の頼子さん(仮名)は「これは私の感想ですけど、みんな地頭がいいのだと思います。中学受験という関門を通って入学しているので、勉強のやり方もある程度わかっている。やる気になればできる子たちだからと学校側も思っているんだと思います」と振り返る。

敬志君は成績もまずまず。高校受験がない分、穏やかな気持ちで中学時代を過ごせたことは彼にとってかなりのメリットだった。

というのも、敬志君は重度の食物アレルギーがあり、定期的に大学病院に通う必要があったからだ。中学か高校のどこかの時期で2週間に一度通院する治療を行う予定もあった。治療のことを考えると、高校入試を気にすることなく過ごせたのは親子の精神的負担の軽減にも繋がったことだろう。

だが中学受験を選択したのは持病がきっかけではない。小学3年生の頃のことだった。敬志君の担任は人柄は抜群だったが、時間配分が苦手なのか授業の進度がかなり遅かった。

「なんか、うちのクラスだけ理科の実験まだしてないんだけど、大丈夫かなぁ」(敬志君)

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