北欧に学ぶ「冬を心穏やかに」過ごす5つのヒント。寒さと暗闇に閉ざされるフィンランドの冬、人々はどんな過ごし方をしているのか?
冬の深まりが心に影響を及ぼす
フィンランドに冬がやってきた。
日照時間の短いフィンランドの冬は、首都ヘルシンキでもお昼過ぎには日が沈む。はじめての冬は、昼から輝くイルミネーションに「さすがクリスマスの国だ!」と心が浮き立ったけれど、冬が深まるにつれて、この季節が人の心に及ぼす影響を実感することになる。
移住1年目。レストランで働いていた私はシフト勤務で、冬の朝シフトの出勤時間は朝7時。アパートを出る時には空は暗く、唯一の日照時間もキッチンの厨房の中で過ごすので、気づけば一度も太陽を見ないまま1日が終わる日々が続いた。
そのため冬が深まると、不眠や気分の落ち込みで休職する同僚も少なくなかった。
移住2年目。レストランの倒産をきっかけに個人事業主として家で働くようになった。外に出る機会が減ると、窓から見える空の明るさだけが1日を測る指標に感じられた。昼過ぎに訪れる暗闇が「もう1日が終わってしまった」という焦りと錯覚に変わり、長い夜と静けさが孤独と向き合う時間になった。



















無料会員登録はこちら
ログインはこちら